スーパーで野菜と洗剤を買ったとき、店名だけで分類すると、どちらも「食費」になってしまいます。これでは月末に食べ物へいくら使ったか分かりません。家計簿では、買った店ではなく、買った物の用途で分けましょう。記録を確認する間隔や、分類ごとの集計を日本語で言うときには「~ごとに」が使えます。
最初に決めるのは、記録の単位と期間
まず、誰の支出を記録するか決めます。一人暮らしなら自分の支払い、家族と暮らしているなら家族で共有する支払いなど、対象をそろえておきましょう。自分の昼食代だけを記録した月と、家族全員の食費を記録した月は、そのまま比較できません。
集計期間も決めておきます。「毎月1日から末日まで」ならカレンダーと合わせやすく、「給料日の翌日から次の給料日まで」なら入金後のお金の流れを追いやすくなります。どちらを選んでも、月によって切り替えないことが大切です。現金でもカードでも、支出は原則として購入日に記録します。カードの引き落とし日は別のメモ欄に残せば、同じ買い物を二度数えずに済みます。
項目は少なく始める
分類を細かく作りすぎると、書くたびに迷ってしまいます。最初は次のような五つから七つの項目で十分です。
- 住居費:家賃、管理費など
- 食費:食材、外食、飲み物など
- 日用品費:洗剤、紙類など
- 交通・通信費:電車代、携帯電話料金など
- 医療・学習費:通院、教材など
- その他:分類に迷う少額の支出など
外食にいくら使ったか知りたくなったら、翌月から食費を「食材」と「外食」に分ければ大丈夫。項目名にこだわるより、同じ種類の支出を毎回同じ項目に入れるほうが大切です。
家計簿で使う「支出(ししゅつ)」は出ていくお金、「収入(しゅうにゅう)」は入ってくるお金。毎月決まった額になりやすい支出は「固定費(こていひ)」、月によって変わりやすい支出は「変動費(へんどうひ)」と呼びます。ただ、電気代のように毎月請求されても金額は変わるものもあります。言葉だけで分類せず、実際の請求額も見てみましょう。

一行に一つの支出を書く
ノートでも表計算でも、続けやすい方法で構いません。一行に「日付・内容・分類・金額・支払方法」を書きます。同じ日にスーパーで野菜と洗剤を買ったなら、レシートの合計を一行で書くより、次のように分けたほうが分類別の金額を正確に出せます。
| 日付 | 内容 | 分類 | 金額 | 支払方法 |
|---|---|---|---|---|
| 5日 | 野菜と米 | 食費 | 2,300円 | カード |
| 5日 | 洗剤 | 日用品費 | 480円 | カード |
| 8日 | 電車 | 交通費 | 220円 | 現金 |
とはいえ、数十円の内訳を調べるために長い時間をかける必要はありません。まとめ買いをして内訳が分からなければ、「食費ほか」として合計額を残す方法もあります。何も書かないより、分かる範囲で記録しておくほうが月末に役立ちます。
現金とカードの二重計上に注意
カードで3,000円の買い物をした日に「食費3,000円」と書いたら、翌月その代金が口座から引き落とされても、支出にもう一度足しません。引き落としは、すでに記録した支払いが口座に反映されたものです。反対に、ATMで現金を引き出しただけでは用途はまだ分かりません。引き出し額を食費などに入れず、実際に現金を使ったときに記録します。
家族で費用を分担するときも、どの範囲の支出を見るかをそろえます。家賃8万円を二人で4万円ずつ負担するなら、「世帯全体の支出」を見る表には8万円、「自分の負担」を見る表には4万円。同じ支払いを二人の記録から重ねて足さないようにしましょう。
JLPT N4「~ごとに」で確認の間隔を表す
「一週間ごとに合計する」「月ごとに比べる」など、家計の記録には「~ごとに」がよく合います。名詞や期間を表す言葉の後ろにつけて、その単位が来るたびにという意味を表します。
形:名詞・期間 + ごとに + 行動や変化を表す文
- 一週間ごとに、食費の合計を確認します。
→ 一週間という区切りのたびに確認します。 - 月ごとに、電気代を比べます。
→ 月を単位にして比べます。 - 買い物ごとに、レシートを一枚の封筒に入れます。
→ 買い物をするたびに入れます。 - 項目ごとに金額を足すと、何に使ったか分かります。
→ 食費や日用品費など、項目を単位にして足します。
「一週間ごとに」は時間の間隔、「項目ごとに」は分類の単位です。どちらも、単位を区切ってそれぞれについて話しています。「一日ごとに」も言えますが、普段の習慣を言うなら「毎日記録します」のほうがすっきりすることもあります。
「毎月」と「月ごとに」の違い
「毎月、家賃を払います」は、毎月起こる行動を伝える文です。一方、「月ごとに家賃を比べます」では、一か月ずつを別の単位として見る感じが強くなります。家賃が毎月同じなら比べる必要はあまりありませんが、金額が変わる光熱費なら「月ごとに比べます」が自然です。
まずは自分の記録の頻度を、「一週間ごとにレシートを確認します」のように一文にしてみましょう。次は「食費」「交通費」など、比べる項目も替えて書いてみてください。例文を丸暗記するより、自分の行動に合わせて文を作るほうが意味を確かめやすくなります。

月末は合計より先に「抜け」を確認する
数字を足す前に、家賃や通信費など毎月ある支払いが入っているか確かめます。カードの利用履歴やレシートと照らし合わせ、書き忘れがあれば追加しましょう。口座残高と家計簿の合計が一致しなくても、差額をすべて「使途不明」にする必要はありません。収入や口座間の移動、カードの引き落とし時期によっても数字はずれます。
抜けを補ったら、分類ごとに合計します。食費32,000円、日用品費6,000円、交通費8,000円なら、三項目で46,000円。前月の食費が28,000円なら、差は4,000円です。ただし、金額だけで増えた理由は分かりません。来客やまとめ買いがあったか、分類の仕方を変えたかなど、一行メモを残しておくと翌月読み返すときに役立ちます。
毎月は払わない費用もあります。年に一度の保険料や学用品の購入があると、その月だけ支出が大きく見えるものです。支払った月には実額を記録し、別に「年間で見込む費用」をメモしておけば、普段の生活費と分けて見られます。まだ払っていない予定額は、実際の支出合計には入れません。
記録が続かないときの小さな調整
買い物の直後に書けなければ、レシートを一か所に集めて週に一度転記する方法でも構いません。レシートが出ない支払いは、スマートフォンのメモなどに「日付・金額・内容」だけ残します。家計簿に移した後は、転記済みか確認して重複を防ぎましょう。
一日分を書き忘れたら、細かな内訳を推測で作らず、確認できる履歴から補います。分からない現金支出は「現金・内容不明」として金額だけ残してもよいでしょう。同じことが続くなら、現金を使った直後だけメモするなど、手順を一つ変えてみてください。
今月の表には、最初に「期間:1日~末日」「記録する人:自分」と書き、その下に「日付・内容・分類・金額・支払方法」の見出しを置きます。今日買ったものから一行ずつ書き始め、「一週間ごとに記録を確認します」と、自分の確認の予定も一文にしてみましょう。
